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| ===================================================================== 【もちつき機】 〔VOL.35〕 2000.12.13 ===================================================================== |
足でつくおもち、ご存知ですか? 正確には、杵の柄の部分を足で踏んでつくのですが…。もちつきといえば、杵を手に持ち、臼の中の蒸したもち米をぺったんぺったんとつくものですが、私の田舎にはちょうど馬のような形をした大きな木製のもちつき機があり、毎年暮れが近づくと、祖父母の家でこれを使って新年のおもちをこしらえるのです。 杵がちょうど馬の頭の部分に相当し、首に当たる柄の部分が柱のように太く長く、てこの原理を使って柄の端の部分を足で踏みこみ、ぺったんぺったんやるわけです。取っ手を両手で握り締めて体を支え、全体重を片足にかけて踏めば杵が高く持ちあがり、足をはずせば杵が勢いよく臼めがけてふり下ろされる、という仕組み。ひと臼 分のおもちをつくだけで、結構な運動になります。 母が子どもの時分からあるこのもちつき機。かなりの年代物ですが、今年もまた活躍してくれる様子。私は祖母のように臼の中のおもちを上手に返すことは未だにできませんが、もちつき係として「はいしどうどう」と杵を踏もうかと思います。 |
| ===================================================================== 【おでんに圧力鍋】 〔VOL.34〕 2000.11.29 ===================================================================== |
わが家は圧力鍋でおでんを作ります。なぜなら、短時間で大根やすじ肉に味がしみ、やわらかくなるからです。世間の夕食時間ギリギリまでPCの前に座っている不真面目な主婦としては、これほど便利なものはありません。夫の帰宅時間を逆算して、おでんを仕込むこともしばしば。 圧力鍋でおでんを作る際の注意点は、はんぺんやごぼ天などの練り物類は圧力をかけて調理しないこと。これをしてしまうと、鍋の中で練り物類が膨らんで鍋いっぱいになり、機能弁ノズルを目詰まりさせる可能性大です。厚揚げやがんもどきも同様。圧力をかけて調理してしまうと、すがたってしまいます。 我が家ではこの失敗の教訓から、大根などの野菜、こんにゃく、ゆで卵や肉類だけを先に加圧して調理。蒸気を逃して圧力を下げた後、湯通しした練り物類や厚揚げなどを入れて煮込むようにしています。ふたをきっちり閉めずしばらく煮込んでいき、練り物類が程よく膨らんできたら、できあがり。 この圧力鍋製おでん、手軽さからわが家では週1くらいの割合で食卓に登場しています。すじ肉の代わりに鶏の手羽元を入れたり、板こんにゃくに飽きたら結び糸こんにゃくにしたりと、具に変化を持たせると飽きずに楽しめますよ。 |
| ===================================================================== 【万能こし器】 〔VOL.33〕 2000.11.15 ===================================================================== |
だしをとるときに便利な道具が万能こし器です。目ザルに取っ手がついたような形状のモノが一般的ですが、我が家にあるのは径が小さくて深めの、いわゆる“みそこし器”と呼ばれるタイプ。いずれも、だし汁をこすときにこのこし器の上にふきんやペーパータオルを敷いて使えばOKです。 結婚前から自炊し、時には同僚を自室へ呼んでは手料理を振る舞っていたというわが夫。彼が結婚当初、「ホームセンターで見つけた」といってうれしそうに買ってきたのがこのこし器でした。妻の私はそんな道具があることすら知らず、面食らったものです。今でも使用するのは、もっぱら味噌汁をつくったり乾麺を茹でる時くらい。けれど、万能というだけあり、使いみちはいろいろあるようです。 たとえば、茶碗蒸し用に味付けした卵液を万能こし器でこしておくだけで、口当たりなめらかな仕上がりに。白和えの和え衣も、水気をよく切った豆腐をこし、調味料を加えてつくるという手があります。大根おろしの水分を適度に取り除いてくれたり、赤ちゃんの離乳食やお菓子づくりの際も大活躍。粉や砂糖をふるったり、生地や材料を裏ごしするのにすこぶる便利です。 つまり、道具は使いよう。ちょっとしたひと手間で、いつもの料理が数段においしく変身します。今ではすっかり“不精者”“手抜き妻”のレッテルを貼られてしまった私。この汚名を返上するべく、もう少し日々の料理に手間をかけてみようかな。とりあえず道具だけはあるのですから…。 |
| ===================================================================== 【焼きいも器】 〔VOL.32〕 2000.10.18 ===================================================================== |
さつまいもといえば、焼きいも! 落ち葉枯れ葉を寄せ集め、焚き火をしたあとの灰で作る焼きいものおしいかったこと。今ではそんな秋らしい風景もほとんど見かけられません。時折軽トラックの焼きいも屋さんを目にしますが、焼きいも1本が500円くらいすることもあり、ちょっと興ざめ。ならば、自宅で焼きいも作りに挑戦してみましょうか。 「焼きいも器」と称した専用の調理器具があります。しゃぶしゃぶ用の鍋のように真ん中がドーナツ状に空いた平たい鍋、ブリキ製のシンプルな寸胴鍋など、数種類あるようです。けれど、やかんや鍋でも十分代用可。古くなったやかんにさつまいもを入れ、ふたをしてストーブの上に。芳ばしい香りがして、いもに竹くしがすっと通ればできあがり。鍋を利用する場合は、深めの鍋によく洗った水槽用の砂利を敷き、さつまいもを埋め込みます。ふたをして火に20〜30分かけてから、そのまま余熱でじっくり熟成させればOK。 おいしい焼きいもにするコツは、低い温度でゆっくり焼くこと。甘みが増し、ホクホクとおいしそうな黄色に仕上がります。電子レンジを使う場合は「弱」に設定し、時間を長めに調理するのがポイントです。 |
| ===================================================================== 【鉄 瓶】 〔VOL.31〕 2000.10.04 ===================================================================== |
元バレー部とかバスケット部など体育会系人間に間違われやすい私 ですが、実は運動神経はないに等しく、おまけに低血圧。血圧は上の値が百を切ることもしばしば。朝はそれほど弱くないつもりでも、やはりボーッとしている様子(本人自覚なし)。出産時も貧血で、結構しんどい思いをしました。 日本人の貧血の多くは「鉄欠乏性貧血」だとか。血液は体のすみずみにまで酸素を運ぶ役目をしますが、酸素の運び役を担っているのが赤血球中の鉄分。鉄分不足から生じる貧血は女性や成長期の若者に多いのだそう。この鉄分を体に補うのに最適なお道具が、南部鉄などでできた鉄器です。 鉄器から溶け出す鉄は、体に吸収されやすい「二価鉄」。これはレバーやほうれん草など、鉄分を多く含む食物より体への吸収率がずっと高いため、効率よく鉄分を補給することができます。鉄瓶で沸かしたお湯でお茶を入れたり、鉄鍋や鉄製のフライパンで調理すれば、毎日必要な量の鉄分を手軽に摂ることができるというわけです。 鉄瓶というと、純和風なイメージで扱いづらそうですが、急須として使える小振りのものも手頃な価格で出回っています。何より丈夫で、百年前の骨董品でも十分使えるくらいですから、ちょっと奮発してやかんの代わりに求めてみてもいいのでは。お手入れも意外と簡単。鉄瓶でお湯を沸かしたあと、なるべく早いうちに中を空にし、余熱で水分を飛ばしておけば大丈夫です。 |
| ===================================================================== 【無 水 鍋】 〔VOL.30〕 2000.9.20 ===================================================================== |
秋といえば「食」! 食いしん坊にはたまらない季節の到来ですね。秋の味覚で連想するのは、おはぎ、ふかし芋、ゆでた栗などなど。幼い頃、おばあちゃん子だった私は、祖母が作ってくれたこれらの“おいしいもの”を食べて大きくなりました。このおいしいもの作りに欠かせない調理道具が無水鍋でした。 今でこそ、輸入物の無水鍋も広く普及していますが、私がお世話になってきたのはごついアルミでできた日本製。祖母はなぜか「ヨシオカ鍋」と呼んでいました。煮る、炊く、焼く、蒸す、ゆでる…と活用範囲が広く、ふたも裏返してフライパンのように使うことができます。祖母はこの鍋で、おはぎのあんこを練り、さつま芋をふかし、栗をゆで、時にはホットケーキの生地を流し込んでカステラもどきのお菓子を作っては、食べさせてくれていました。カレーやお煮しめにも活用していたっけ。 調べてみると、この無水鍋はわが和食党のお膝元、広島市内で製造されていました。1953年誕生とのことですから、私が生まれるはるか前。祖母の家にあるものもかなり年季が入っているので、おそらく、祖母、母、私と3世代がお世話になり続けているはず。以前から、この鍋を祖母から譲り受けるのを密かにもくろんでいて、先日打診してみたところ、やっとOKをもらいました。今度はこの鍋で、私が娘にお芋でもふかしてやろうと思っています。 ※タコスのオススメサイト! 無水鍋ホームページ http://www.musui.co.jp/index.html |
| ===================================================================== 【手ぬぐい】 〔VOL.29〕 2000.9.06 ===================================================================== |
子どもの時分、祖父母宅に遊びに行くたび、祖母は手ぬぐいを姉さんかぶりした姿で私たち孫を迎えてくれていました。この“手ぬぐい姉さんかぶり”は、農村地域のおばあちゃんたちの定番スタイル。家事や軽作業にはもんぺに姉さんかぶりが、まるでユニフォームのように定着していたっけ。今でも齢(よわい)80を越える私の祖母は、この姿で突然訪れる孫とひ孫を迎えてくれます。 手ぬぐいの用途は、この姉さんかぶりか、せいぜいふきんに利用する程度とばかり思っていましたが、最近ではきれいな色にかわいらしい柄のものが多く出回っていて、びっくり。白地に紺の豆絞りというシンプルな柄だけにあらず。まるで千代紙のような凝った色柄の手ぬぐいがたくさんあるのです。うろこ模様や格子柄といった古典柄、金魚などの風物をあしらったかわいらしいものなど、バラエティに富んでいます。中には、名入れしてくれるお店もあるとか。 バンダナやハンドタオル代わりに使ったり、インテリアに応用したりと、用途も広がっています。食卓で使うならランチョンマットに最適。海外の友人知人へのおみやげやプレゼントにもおすすめです。和風小物を扱っている雑貨店や呉服店の店先でも見かけるので、好みのものを探してみてはいかがでしょう。敬老の日の贈り物にもいいですよ。 |
| ===================================================================== 【水の演出】 〔VOL.28〕 2000.8.23 ===================================================================== |
飲む、浴びる、撒く、すくう、洗う、流す、張る、かける…。水の使い方はいろいろです。暑さが厳しいほど、あの冷ややかさ、気持ちよさが恋しくなるもの。昔から、真夏の食卓や生活に涼を呼ぶ小道具として活用されてきました。 そうめんやうどんなど冷たい麺類をいただく時、ざるに盛る以外に塗りの大き目の椀に冷水を張り、麺類を入れるのも一興。そうめんをゆでる時、束の端を糸でしばっておき、ゆでたあとその部分を切り落としてから器に盛ると、川の流れのようで涼やかです。桶や壷に水と氷を入れ、ワインクーラーに見立てるのもいいですね。 玄関まわりやベランダに打ち水をしたり、かめや大き目のプランターに水草を栽培して小さな和風ビオトープに。水とビー玉を入れた透明なグラスの一輪差し、なんていうのも感じのいいものです。昔ながらの水の演出は現代の生活にも応用できます。知恵とセンスで暮らしに上手に水をあしらってみませんか。 |
| ===================================================================== 【砥 石】 〔VOL.27〕 2000.8.02 ===================================================================== |
私の実家は田舎です。電気、ガスはありますが、水道は井戸水という家が少なくありません。わが実家も水道料金の要らない家。電気ポンプで地下からくみ上げられる水は夏冷たく冬温かい(といっても体感する冷たさが水道水ほどではないという程度)のが特長です。 町内でも山よりの地域では山水をひいている家も。ちょろちょろと流れ落ちる山水を受ける大きな鉢には、この時期、スイカのほか、トマトやキュウリ、ナスなど、もぎたての夏野菜が浮かんでいるのが常です。その水場に必ず置いてあるのが砥石。かなり使い込まれ、凹レンズのように真ん中が薄くなった砥石をよく見かけます。そう言えば、祖父母も水場で菜切り包丁をよく研いでいたっけ。 昔ながらの砥石はよく水につけ、十分に水を吸わせておくことが大切。平らなところに置いた砥石に、角度を一定に保ちながら包丁を当て、前後にシャカシャカと動かします。刃先のちょっと下を研ぐつもりで、包丁を押す時に力を入れ、戻す時に力を抜くのがコツ。 常に砥石がぬれているように、時々水をかけながら研いでいきます。 砥石を使った包丁研ぎ。面倒と言われればそれまでですが、あのシャカシャカという快い音には、結構癒し効果があるように思います。 |
| ===================================================================== 【「炭」と「七輪」】 〔VOL.26〕 2000.7.19 ===================================================================== |
〜夏休み直前・お楽しみバージョン〜 『「炭」と「七輪」でうなぎの炭火焼き』 今回はちょっと趣向を変えて、自宅で挑戦するうなぎの炭火焼きの提案です。夏休みで一日中家にいる子どもたち。彼らのエネルギーを発散させるべく、週末、お父さんをリーダー役にレジャー感覚でトライしてみてはいかがでしょう。 ご紹介するのは、七輪を使ったうなぎの白焼き。用意するのは七輪と炭、魚焼き器(ひっくり返して両面が焼けるシンプルで安価なもの)、そして、広めのベランダか小さ目の庭です。煙が出るので、あらかじめ隣近所にご迷惑がかからないようひと声かけるか、誘って一緒に楽しんじゃいましょう。 まず、七輪に炭を熾(おこ)します。炭はアウトドア用の火の点きやすいもので十分。七輪に新聞紙の切れ端少量を入れて火を点け、折った割り箸を投入しながら火種を作ります。小さ目の炭を少しずつ入れて火種が大きくなったら、炭の量を増やします。十分に炭が熾ったら、七輪の上に魚焼き器を置いて、いよいよ焼き始めます。 失敗を避けるため、最初に試食用のひと切れで火加減を見ながら焼き具合をチェック。特に皮は焦げやすいので要注意です。タレにくぐらせて焼く“蒲焼き”を七輪で行うには、テクニックを要するので、まずは白焼き、もしくは他の魚でコツをつかんでから挑戦してみてくださいね。 ●七輪については… バックナンバー99年7月28日号 http://www.herstory.co.jp/wasyokumm/7.28gou.htm ●炭については… バックナンバー2000年4月19日号 http://www.herstory.co.jp/wasyokumm/4.19gou.htm ●うなぎの焼き方については NORIさんのコーナーを参考にしてね! |
| ===================================================================== 【竹かご】 〔VOL.25〕 2000.7.05 ===================================================================== |
七夕といえば笹の葉飾り。短冊や色紙に字を書いて笹竹につるす習慣は、子どもたちの字の上達を祈り、始まったものものだとか。保育園や幼稚園、商店街やデパートの中にも笹竹が置かれ、短冊に願い事を書いてつるせるようになっています。もっとも、書かれるの は「○○がほしい」とか恋の成就を祈る願い事が大半でしょうが…。 笹の葉、笹竹、笹飾りとくれば、お道具はやはり竹製品。この時期、セール用のワゴンに竹製のかご類が山と積まれているもの。さまざまな形や大きさのものがお手頃価格で販売されているので、気に入ったものを二、三求めてみてはいかがでしょう。 四角いお盆のような浅いかごには、かわいらしい柄の手ぬぐいをランチョンマット代わりに敷いてお膳に。ごはんに味噌汁、香の物というシンプルな朝ごはんも、ちょっと旅館の朝食風に早変わり。深さのある大き目のかごには、中に和紙を敷いて野菜入れに。ごぼうやネギなどの背の高い野菜もスッキリ収まり、見た目も感じよく映ります。 わが家では小さな丸いかごに、半紙やきれいな包装紙を敷いて竹炭入れにしています。買い物かごのマガジンラック、蕎麦ちょこや湯飲みの上に小さなかごをかぶせて、編み目の隙間に野草や花をあしらう即席テーブルフラワーなど、アイデア次第で楽しく活用できそうです |
| ===================================================================== 【ゆ か た】 〔VOL.24〕 2000.6.21 ===================================================================== |
ビールのおいしい季節の到来です。酒の肴は枝豆? それとも冷奴? 手軽にさっと用意できるものが重宝ですが、ほんの少し手間をかけると晩酌の雰囲気もアップします。一品ずつ豆皿にちんまり盛付けて丸盆に並べたり、氷や青葉で涼しさを演出したり…。ポピュラーで手近な食材も彩りや盛りつけを考えて美しく盛れば、よそ行き気分でビールもついつい進みます。 たまにはゆかたで晩酌なんていうのもおつなもの。着物はおっくうでも、ゆかたなら気楽に手間なく袖が通せます。柔らかい兵児(へこ)帯を使えば、簡単に結べて仕上がりもキュート。 わが和食党の拠点・広島では、毎年6月初旬に「とうかさん」というお祭りがあります。夏に先駆け、ゆかた姿をお披露目する女性たちが多く、さしずめ“ゆかた祭り”の趣。日ごろは茶髪にミニスカでキメてるギャルも、思い思いの柄のゆかたに身を包み、彼氏とそぞろ歩く姿はほほえましいものです。 酒の肴や器…ちょっとした心遣いがビールをおいしくするように、気分を変えてゆかたで晩酌。今年の夏は、自分を“おいしく”演出してみてはいかがでしょう。 こだわりのゆかたや帯、新感覚のZipYukataなど、見どころいっぱい! ■「きものやさん」 http://www.kimonoyasan.com/ |
| ===================================================================== 【豆腐すくい】 〔VOL.23〕 2000.6.07 ===================================================================== |
豆腐すくいなる道具があるのを知ったのは、つい最近のこと。湯豆腐好きの家に育ちながら、実家ではもっぱら玉じゃくを使っていました。考えてみれば色気のない話。なくても困らない道具だけれど、専用の豆腐すくいを使えばおいしさも増すというものです。 さいころの五の目のように穴が空いた竹製のほか、お好み焼きのコテのような形で金網状になった金属製のものもあります。鍋シーズンの冬場の方が出番は多いものの、これからの季節、冷奴の演出に使えそう。 青竹を半分に割って器を作り、中に切った豆腐と水を入れて冷やしておきます。薬味と醤油を小皿に用意。寿司桶のような浅くて広めの入れ物に豆腐の入った竹の器とかち割り氷を入れ、青葉をあしらって食卓に。もちろん、豆腐すくいもお忘れなく。すくって食す冷奴。見た目にも涼し気で、ちょっとしたごちそう気分が味わえますよ。 |
| ===================================================================== 【こね鉢】 〔VOL.22〕 2000.5.24 ===================================================================== |
そば所、信州では「そばを打てねば嫁に行けぬ」と言われていたとか。かつてはどの家庭にもそば打ち部屋があり、若い娘たちはそこで祖母や母親からそば作りの手ほどきを受けていたんだそう。そば打ちがごく日常的に行われていたんですね。 そば粉につなぎの小麦粉を入れ、水を加えてこねる。この作業に必携なのがこね鉢という大きく平らな鉢です。今ではよほどのそば好きで自らそばを打つ、という人以外、使うこともお目にかかることもない道具でしょう。が、骨董市などではたまに目にすることがあります。 年季の入った木製の道具なので、和のディスプレイにぴったり。きれいな手ぬぐいや古布をたたんで並べたり、季節の花や緑をあしらって飾っておくと感じのいいもの。茹で上がった蟹を豪快に盛りつけて食卓へ出すというのも、意表を突いて楽しそうです。 |
| ===================================================================== 【盆 ざ る】 〔VOL.21〕 2000.5.10 ===================================================================== |
きれいで柔らかい梅干し作りのコツは土用干しを忘れないこと。7月20日頃、晴天の続きそうな日を見計らい、本漬けした梅を消毒を兼ね天日に当てる作業を土用干しと言います。 この土用干しに欠かせない道具が大きくて平たい盆ざる。ざるの三方にひもをつけ、一粒ずつお行儀よく並べた梅と赤じそを風通しの良い場所につるしておくのです。時折裏返しながら天日に当てること3〜4日。梅の表面が乾き、しわが寄ってきたら保存容器に。漬け直して10日もすると新漬けの梅干しのできあがりです。 ところで、ざるとかごの違いをご存知ですか? 基本的に竹の表皮を内側に使ったのがざる、外側に使っているのがかごです。ざるは洗ったり、干したり、水を切る時などに使い、かごは物を入れる時に使う、という区別の仕方もあります。いずれも使った後、よく水切りし、陰干ししておけば、カビず傷まず長持ちしますよ。 |
| ===================================================================== 【 炭 】 〔VOL.20〕 2000.4.19 ===================================================================== |
「炭をいこす」私の実家ではよくこう言っていましたが、実は「おこす」がなまった方言。火にくべた薪が炭になったものを「おき」とも呼んでいました。炭を作る行為自体、わが実家のような田舎でもほとんど無くなっていますが、ここ最近、備長炭や竹炭を日常生活に利用するのが静かなブームになっているようです。 木材を炭化させた炭は、多孔質という縦・横無数に細いパイプが集まったような構造をしており、湿気の吸着・放出という調湿作用のほか、においを消したり、水を浄化するパワーを発揮するのです。 くみ置きした水に炭を入れておくとカルキ臭や不純物が吸着され、水がおいしくなるほか、炭を入れて炊飯するとごはんがふっくら。炭をウメと一緒に一昼夜水につけてから塩漬けすると、塩分少な目でも腐りにくい減塩梅干しに。いずれの場合もあらかじめ炭をよく煮沸するのがポイントです。米びつに炭を入れておけば防虫効果も。 |
| ===================================================================== 【自炊生活にゆきひら鍋】 〔VOL.19〕 2000.4.05 ===================================================================== |
進学や就職、単身赴任などでこの春から初めての自炊生活、という方やご家族のいる家庭もあるのでは? 栄養も片寄りがちな一人暮らしの食生活。そんな時は和食メニューでヘルシーに。中でも煮物は手軽にできておすすめです。煮物用にゆきひら鍋を一つ用意しておけば、活用範囲も広く便利です。 ゆきひら鍋はアルミ打ち出しの片手鍋のこと。どこのご家庭にも必ず一つはあるであろうポピュラーなお鍋です。一人暮らしには直径18cmくらいが使い勝手が良いでしょう。鍋よりひとまわり小さいサイズの落としぶたも一緒に揃えておくと重宝します。 お味噌汁や魚の煮付けなど、ゆきひら鍋一つあれば基本的な和食メニューは大丈夫。火の通りやすい材料で煮汁を少なくすれば、ちょっとした煮物もさっと作れます。くれぐれもインスタントラーメン専用鍋にならないよう、自炊生活がんばってくださいね。 |
| ===================================================================== 【木型・もっそう型】 〔VOL.18〕 2000.3.22 ===================================================================== |
卒業、入学、就職など「おめでとう」のあいさつが行き交うこの季節。食卓でお祝いの膳を用意する家庭も多いことでしょう。特別な日のごちそうの一つに、型抜きしたお赤飯や押し寿司を添えてみてはいかが。ちょっと目を惹き、きれいです。 もっそう型と呼ばれる木枠や押し寿司用木型が市販されています。もっそう(物相)の「相」は木形の意味。花や扇の形にくり貫かれた木型の中にごはんや寿司めしを詰めて押し出せば、かわいい型抜きごはんのできあがり。具を混ぜ込んだ寿司めしを抜いて錦糸たまごやさくらでんぶを散らしたり、型抜きした白いごはんに青のりとゆかりをあしらったり…。 ごちそうに限らず、普段のお弁当に活用すれば子どもたちも大喜び。幕の内用の太鼓むすびが一度に10個くらい作れる木型や三角のおむすび型もあり、作るのも楽しくなってきます。 |
| ===================================================================== 【お弁当箱】 〔VOL.17〕 2000.3.08 ===================================================================== |
もも色、わらび色、すみれ色…野山に咲く春の彩り。街中でも、アスファルトの隙間から顔を覗かせたよもぎやたんぽぽが春の訪れを教えてくれます。小さな春を見つけにお散歩したり、お花見が待ち遠しいこの季節。野外でお弁当を広げる機会も増えてきますね。 お弁当箱といえば、タッパーウェアやアルミ製が一般的ですが、花見や散歩のお供にはお弁当箱もちょっと凝りたいもの。曲げ輪っぱや塗りものなど、あたたかみのある木製や竹で編んだ昔ながらのお弁当箱に注目です。少々お値段が張りますが、一つ二つ揃えておくと気分も変わり、何よりもお弁当がぐっと引き立ちます。 もっと身近なものでは経木。持ち帰り用のお寿司をくるむ時によく使われますが、市販もされています。和菓子や佃煮の入っていたきれいな箱に葉らんでも敷いておかずを詰めるのもいいですね。 おめかししたお弁当箱を持って、春色を探しに出かけませんか? |
| ===================================================================== 【 帯 】 〔VOL.16〕 2000.2.23 ===================================================================== |
桃の節句、ひな祭り。もっぱら子ども向けのイベントになりがちですが、お雛さまを前に大人同士でちょとした祝いの膳を用意してみるのもおつなもの。そんな時、テーブルウエアとして帯を使ってみてはいかがでしょう。 なかなか普段から着物という生活はできないまでも、帯などの和装小物はちょっとした食卓のディスプレイに利用できます。大きめのダイニングテーブルの上にセンタークロス代わりに敷いたり、座卓のアクセントに。サイドボードや靴箱の上に敷き、桃や菜の花の一輪ざしを飾ってみるのも素敵です。ピンクや空色など春待ち気分が味わえる色・柄のものがあれば、ぜひこの機会にお披露目を。たんすの肥やしにしておくよりも、家族やお客さまの目に少しでも触れる方が帯にとってもうれしいに違いありません。 お母さんやおばあちゃんが使い込んだ帯、というのも新品にはない風合いがありますし、骨董市で気に入った絵柄のものを探してみるのも楽しいですよ。 |
| ===================================================================== 【お ひ つ】 〔VOL.15〕 2000.2.09 ===================================================================== |
最近、お鍋でごはんを炊くようになってから俄然ほしくなった道具、それがおひつです。飯びつ、おはちとも言われ、鉄のお釜でごはんを炊いていた昔に大活躍していた木製の容器。炊きあがったあつあつのごはんをおひつに移しかえると、適度に水分が飛び、ツヤッ、モチッとしたごはんの風味が保たれ、冷めてもおいしくいただけます。 おひつには、木目が上下にまっすぐ通った柾目が使われます。柾目には水分を適度に吸う特徴があるためで、秋田杉が材に使われることが多いようです。 冬場はワラで厚めに編んだバスケット状の「おはち入れ」や専用の「おはち布団」を使って、かつてはおひつを保温したとか。電気のなかった時代、おいしくご飯をいただくために心をくだいてきた庶民の知恵が産み出した道具たち。多機能な炊飯器が普及している今だからこそ、見直してみるのもいいかもしれません。 |
| ===================================================================== 【小 出 刃】 〔VOL.14〕 2000.1.26 ===================================================================== |
魚、おろしてみませんか? 釣りの戦利品やお惣菜向けのいわし・あじといった小型の魚なら、失敗しても惜しくないので挑戦するには最適。小型の出刃包丁なら臆せず気軽に使えます。通常の出刃包丁が六寸(約18cm)なのに対し、別名あじ切りとも言われる小出刃は四寸(刃渡り約12cmほど)。小さな魚をおろすのにちょうどいいサイズなのです。二千円前後からあり、お値段も手頃です。 出刃の特徴は片面の刃先が途中から斜めになっていること。この片刃になった方を下にし、魚の骨と身の間をさぐりながら刃先を上下に動かすように包丁を入れれば、身を崩さずきれいに切れます。やってみると意外と簡単。使うほどに慣れて、病みつきになりますよ。 使い終わったらきれいに洗い、水気を十分に拭き取っておきましょう。できれば水洗いした後、研ぐ習慣をつけておくと切れ味も長持ちします。 |
| ===================================================================== 【一 人 鍋】 〔VOL.13〕 2000.1.12 ===================================================================== |
囲炉裏で煮炊きをしていた昔、つる(持ち手)のついた鉄製の大鍋が多く使われていたのに対し、座敷に持ち出す鍋料理は「小鍋膳立て」と言われたとか。略して「小鍋立て」。今で言う鍋料理の前身に当たります。でも、イメージとしては大勢でつつく鍋より、一人もしくは二人でいただくこぢんまりとした鍋が思い浮かびます。 一杯飲んだ後の仕上げや受験生の夜食に、ありあわせの材料でちょちょっと作って食す小さな鍋。一人鍋には、直径15〜20cmの小さな土鍋に受け皿がついたものや、荒陶製のゆきひら鍋が適当でしょう。 一度熱くなると冷めにくい土鍋特有の保温力が、寒い夜の空腹を満たし、体も心も温めてくれるはず。一人鍋のメニューとしては、ほうれん草と豚肉で作る常夜鍋、うす味のおつゆで煮込んだにゅうめん、好みの具でこしらえる雑炊などいかがでしょう。 |